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2021.01.20

ダイバーシティとは。女性経営者が語る経営とマネジメント法 #MEオンラインサロン

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ネット型リユース事業を中心に、メディア事業、モバイル通信事業などを展開しているマーケットエンタープライズグループ(以下、ME)は、現在国内16拠点・海外1拠点を構え、従業員450名、グループ5社体制の企業です。

MEでは、「次世代を担う、経営メンバー育成」のため、代表取締役社長 小林(以下、小林)の人脈を活用し、社外の経営者を招いて、プロダクトからビジネスマインド、企業理念にいたるまでさまざまなコンテンツをオンラインでご講演いただく、社員限定のMEオンラインサロンを開催しています。

第3回目となるMEオンラインサロンは、女性社員比率8割を超える2名の女性経営者にご登壇いただきました。セールスアウトソーシング事業、マーケティング戦略設計/MAツール運用支援、企業向け・女性向け研修事業、高度海外人材紹介事業を展開するSurpass社代表の石原 亮子氏(以下、石原氏)と、ソーシャルメディアマーケティング支援事業や、インフルエンサーが能動的に活躍出来るコミュニケーション型プラットフォームを構築しているミンツプランニング社の金本 かすみ氏(以下、金本氏)です。本記事では、女性経営者ならではの切り口で、経営やマネジメントなど、ご登壇いただいた内容を一部紹介します。

▼石原 亮子氏
1979年生まれ、東京都出身。学生時代に光通信、ビジョンでアルバイトを経験し、新卒で日本生命に入社。その後、グルメサイトの立ち上げ、ペット保険の立ち上げ、地下水プラント、EC広告や上場企業のIR資料の制作や翻訳の営業など幅広いジャンルのプロジェクトを手掛ける。2008年8月、「営業のあり方を変えたい」という思いで株式会社Surpassを設立。2019年には「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2019」を受賞。同時に、積極的に女性を採用し、女性が活躍できる環境のある会社に送られる「WOMAN‘S VALUE AWARD2019」総合部門特別賞を受賞。(https://surpass-star.com/ 

女性が8割、未経験者8割、日本最大級の女性メインの営業アウトソーシング企業

石原氏:短大を卒業後、大手生命保険やグルメサイト、ネット広告代理店、IR資料翻訳など、約80を超える業種の営業に携わってきました。その経験から、属人化された気合い・根性の営業ではなく、より多くの人が活躍し続けられるように、「営業の在り方を変えたい」という思いから、「女性と社会の架け橋になりすべての人の未来を創造し続ける」をミッションに掲げ、Surpassを設立しました。

弊社では、女性のコミュニケーション能力を生かした「セールスプロセスアウトソーシング(SPO)」のサービスを提供し、クライアントが、営業の肝になる「見積もり・提案・受注」工程に集中できるよう、その前後の営業工程、例えばアポ取得やニーズヒアリング、受注後のフォローなどを担当しています。一部上場企業や大手企業のサポートもしており、業界は縛っていません。電力や化学メーカーもあれば、IT、インフラ系などさまざまな業界のクライアントを抱えています。

社員は女性が8割。驚かれるのが、その女性社員の8割が営業未経験者であることです。私たちは営業のノウハウを仕組み化することで、未経験者でも一から育成できる強みを持っているため、研修や教育プログラムを整えることで、未経験者でも1年経つと自走できる体制を用意しています。さらに、傾聴力や共感力、先回り力など、女性ならではの視点やコミュニケーションのきめ細やかさも加わることで、クライアントからご評価をいただいています。

▼金本 かすみ氏
1986年年生まれ、名古屋市出身。大学在学中に女子大生ブロガーとして公式で執筆しながら、女子大生メディア構築し、女子大生ブロガーの中でPV数1位を獲得。東京ガールズコレクションのキャスティングを経て、2011年、株式会社ミンツプランニングを設立。インフルエンサーによるマーケティングなど女性向けプロモーション支援事業を展開。Amazonプライム・ビデオにて配信されている恋愛リアリティの婚活サバイバル番組「バチェラー・ジャパン」では、同社の社員が出演。設立以来、20代から30代のトレンドに敏感な女性たちの採用に力を入れ、ユーザー・生活者視点での「愛される」企画の立案と運営がこだわりを持つ。(https://mintzplanning.com/ 

女性の感性や個の発信力の可能性を実現するSNSマーケティング企業

金本氏:名古屋で過ごしていた学生時代に自分がブログを執筆するブロガーを経験。たくさんの方に読んでいただくことができ、個人の発信で多くの人に影響を与えられることにとても興味を持ちました。その後上京し、芸能業界でインターンを経験したことで、女性の感性や個の発信力の可能性を広げ、能動的に働く環境を作りたいという思いが強くなり、「create life of women.」をミッションに掲げ、ミンツプランニングを設立。

皆さんは女性が消費の8割の決定権を握っているという事実をご存知ですか?さらに、最近ではInstagramを利用する9割の方が1日1時間ほど閲覧し、そこから購入につながるケースも増えています。この事実を受けて、弊社では女性の視覚的感性へ訴求するインフルエンサーマーケティングをメインに取り組んでいます。

“女性の感性”を活かしながら、人だからこそ創り出せるクリエイティブを大切に。それらを活かしたデジタル(特にSNS)マーケティング支援だけではなく、ブロガー時代に仕事の管理がなかなか出来なかった経験から、困りごとを解決できる、インフルエンサーの案件進行管理やスケジュール管理を自動化できるアプリも開発。インフルエンサーが能動的に働きたくなる仕組みを作っています。

現代はSNSが生まれたことで「個に発信力がある時代」と言われていますが、この可能性をさらに広げるにはチームで取り組むことが重要。そのため、クライアントと社員、インフルエンサーがチーム一丸となって、「愛される」企画の立案と運営を大切にしているような企業です。

女性社員比率8割超えの経営者が語るマネジメント法「特性を理解し、仕組み化する」

石原氏:ダイバーシティ時代を切り開くには女性の活躍が重要だと思っています。社員が女性比率8割と聞くと、ダイバーシティ感が見えづらいですが、女性がもともと少ない営業職をメインでやることで、社会全体でのバランスが取れるように、という思いを込めて女性の採用と育成に力を入れています。

女性メンバーをマネジメントするうえで大切にしていることは、女性の特徴を知り、それを仕組み化することです。日本の女性って世界で見てもまれにみる真面目さを持ち、勤勉です。ですが、今の社会はまだ男性軸で決めたルールが多いため、真面目な女性ほど数年で疲れてしまうんです。時には「肩の力を抜くよう」ユーモアを交えながら伝えています。

また、弊社ではルールやマニュアルを作ることに力を入れています。それらがあることで、誰が入っても活躍できる土台や仕組みがあるという利点はもちろん、ルールが共通言語になり、男性が女性に指摘しづらいような内容も、ルールを用いて話しやすい環境を作れています。

一方で、女性の良さでもありますが、察してあえて言葉には出さないないという一面も持っているので、この点に関しては、話さなければ伝わらないよと言い続けています。些細なことでもあえて伝える、分からなければ聞くという文化を根付かせています。

さらに、エレファントシンドローム(注1)という言葉があるのですが、小さい頃からの親や周りの教育で、本来は能力があるにも関わらず、自分にはできないと思いこんで、過小評価してしまう人が多いです。大学進学率も高く、非常に能力が高い日本の女性たちなのに、その能力の限界を過去の経験から、思い込みで閉じてしまうのは非常にもったいない。そのため、弊社では自分の可能性を広げるためのセルフマネジメント研修も取り入れ、思い込みを取り払うような仕組みを用意しています。

Surpass社のValue

(注1)自分の限界を自分で決めてしまったために、本来持っているポテンシャルを発揮できないことの例え。サーカスの子象は逃げ出さないよう鎖に繋がれ、動き回ることができないために逃げ出せないと学習。象が大人になり、大きな身体と力をもって鎖を壊し、外すことも簡単であるのにも関わらず、小さな頃に動き回れなかった経験から「そんなことをしても無駄」だと悟り、動くこを諦める。これを『エレファントシンドローム』という。

センスはもって生まれたものではなく、経験の積み重ねで磨かれる

金本氏:女性が持つ感性はとても素敵だと思います。男性ってこれを買うと目的を決めてショッピングに行く人が多いと思うんですが、女性ってその時の気分や感じ方で選ぶものも変わって素敵ですよね。ただ、感性が豊かだからといってセンスがもともとあるとは限りません。

弊社のようにSNSを活用したインフルエンサーマーケティングをしていると、センスがある人を採用しているのか?と聞かれることが多いんですが、そんなことはありません。もちろんセンスのある方が入社するケースもありますが、どちらかというと真面目にセンスを磨ける人を採用しています。なぜならセンスは、男性・女性に関わらず、知識量と経験から生まれるものだと思っているからです。

俗に言うセンスが良い方というのは、それだけの数の情報やものに触れ、はやりものに敏感に接しているからにすぎません。さまざまな情報にアンテナを張り、インプットして知識や経験を積み重ね、多様性を理解する。これは、インフルエンサーと呼ばれる人たちが常日頃からしていることです。そのため、インフルエンサーにとっては、ブログだろうがInstagramだろうが、媒体の違いは関係なく、行動や思考がインフルエンサーたるものを作り出しているのです。

これに気づいていない方が多く、私にはセンスがないからという理由でさまざまなことをあきらめるのは非常にもったいないと感じています。弊社では感性やセンスを磨くために、外で沢山吸収してきてと日頃からメンバーに伝えており、それが結果的にセンスにつながることはもちろん、ユーザー目線に立つことにもつながっています。

ミンツプランニング社 行動指針である7rule

また、弊社ではメンバーの価値観が磨かれ、各々が結果を出せる環境を整えるため、あまり縛りを持ちたくないと考えています。髪型やネイルは自由。働く時間も縛らない。守ることは行動指針である「7ルール」のみです。感性を大切にしながら、沢山の知識や経験を積み重ね、クライアントの結果につなげる。一人ひとりがパフォーマンスを最大限に発揮できるような環境を弊社では用意しています。

最後に伝えたいこと

石原氏から

いま、私たちは変化の激しい重要な時代を生き、アナログからデジタルにShiftする時代でもあります。みなさんには、先人の知恵を借りながらShiftメーカー、あるいはChangeメーカーとして、新たなことも取り入れながら変化することを楽しんでいただきたいです。そして、あえて自分がマイノリティになるようなコミュニティに参加し、新たな価値観や考えにも触れていただけたらと思います。

金本氏から

話した内容が、みなさんにとって少しでも役になったのであれば、あるいはプラスの影響になったのであればとても嬉しいです。みなさんには、学んだことを普段の生活に生かしてもらいながら、是非自分らしく働くことを楽しんでいただきたいです。きっとそれがやりがいにつながっていくはずです。そして、自分が経験しえないことにおいても、他者を理解する心を忘れず、さまざまなインプットを続けてください。

講演を終えて

セミナー後は質疑応答を実施。上司として部下に求めるもの、リーダーとして大切にしていることやこれまでに感じた課題はあるか、過小評価しやすいメンバーに対してどのように接するのかなどの質問に対し、女性経営者ならではの切り口でご回答いただきました。

メンバーからは、発想や取り組みがとても参考になった、男性・女性だからという区別をなくすという言葉が印象に残った、感性を最大限化させている事業は素晴らしい、などの声が挙がり、メディア事業や通信事業担当者からも反響がありました。さらに、女性社員にとっても大きな気づきを得る機会となりました。

小林からは、「女性経営者ならではの切り口での、経営やマネジメント法について話を聞くことができた。多角化を進めグループ経営へ移行しているMEにとって、ダイバーシティを理解する貴重な機会になったので、是非各メンバーにも気づきを得てほしい」と感想を述べていました。

今回のセミナーを終え、女性社員比率8割を超える経営者ならではの観点で、多様性のある働き方やマネジメントについて教えていただきました。また、エレファントシンドロームという自分では気づいていない固定概念の脱却、センスがある人は誰よりも努力を続けているからこそ、という本質についても触れることができ、ダイバーシティ時代を切り開くには、自らたくさんの情報に触れ、経験値を増やし、考え方や価値観に多様性を持たせる必要性を感じた大変貴重な時間になりました。

セミナーの最後は、石原氏・金本氏と一緒に、MEの今期テーマ「MEX」になぞって、「X」ポーズを。

Zoomの仕様上一部のメンバーのみですが、「X」ポーズの様子をご紹介
セミナー後にエントランスでも「X」ポーズ

「持続可能な社会を実現する最適化商社」というビジョンに向かって進むME。学んだことを、それぞれの部署・役割でアウトプットしていけたらと思います。今後もMEブログでは、MEオンラインサロンについて特集いたします。

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記事を書いた人

岡戸 亜樹

MEジャーナル編集長

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