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- 開発エンジニアとは、課題解決のために何でもやること。創業時から開発の内製化を推進する唯一無二のチームとは?
自社サービスを裏側から支え、数々のシステムを社内で構築しているマーケットエンタープライズグループ(以下、ME)のエンジニアチーム。2020年にはベトナムにも開発拠点を設立し、現在では40名を超えるエンジニアが揃う。そんな開発部門をCTOと2人で立ち上げたのが、システムデザイン部で部長を務める澤松雅史だ。
CTOと二人三脚で組織を拡大させるだけでなく、自社のサービスを裏側からグロースさせた澤松。開発部門の立ち上げから現在までを振り返ってもらい、なぜ自社内製にこだわっきたのか、エンジニアチームとして大切にしている思いとは何か、語ってもらった。
── 「この人に言えばなんとかなる」というキャラ設定!このキャラに至った背景を教えてください。
社会人になる前は大学院の博士後期課程まで進んでいました。しかし、当時は研究職を目指すことの厳しさを実感していたので、漠然と就職する道を考えていました。
当時遊び感覚でMacやフォトショップを触っていたのを覚えています。今でこそ、当たり前のようにあるものですが、その頃は一部のプロが使うツールという感じで。
幸い自分の研究室にその環境があったからできたことでしたが、これが就職の時に役に立つとは思ってもいませんでした。
そして29歳になって初めて就職したのが、ガラケーのコンテンツ配信を行う小さな会社でした。社員数は5名で、とにかく何でもやらなければいけない状況。
サーバやプログラムの知識を持っている人がいなかったこともあり、サーバの構築から、保守メンテナンス、外部開発会社との交渉など、ITに関連することは全て担当していたと思います。
情報系の大学を出ているからというだけで出来るだろうと思われていたようですが、サーバやプログラムに関する知識は一切なく、知らないことは全部検索。時間があれば本屋で技術書を立ち読みする日々でした。
他の会社に転職した後も、何でもやる姿勢は変わらず。Webディレクター、紙のデザイン、アーティストのMVの制作や営業など、本当に何でもやっていました。
当時は、「出来ない」という言葉を発した瞬間にサバイバル終了。この人に言えばなんとかなるというキャラを作り上げるため、色々やっていたように思います。
── とにかく何でもやる、「サバイバルし続ける環境」でキャリアを歩まれていたのですね。MEに入社したキッカケはなんだったのでしょうか?
前職はMEと同じように、3人で立ち上げたWEB系のベンチャーでした。その開発会社にいた際にMEと出会い、当時MEが展開していたフリーマーケット事業の予約システムの制作を担当していました。2006年頃だったと思います。
私がMEに入社するきっかけを作った、現在MEのCTOを務める丸尾との出会いもこの頃です。丸尾は元々MEにジョインしていたわけではなく、代表である小林の友人で、MEをサポートするエンジニアとして紹介を受けていました。
その後、前職の会社をたたんだことをきっかけに転職活動をスタート。そのタイミングで丸尾に連絡したところ、MEに入社することを知りました。
「開発部門を立ち上げるので一緒にやらないか」と声を掛けてもらい、その想いに共感して入社を決めました。
── たった2人だけで開発部門を立ち上げ、どのようにして東証一部上場企業のサービスを支える開発チームに組織を拡大させたんですか?
入社した2013年からは、CTOと二人三脚で開発業務を回し、いかにクオリティを落とさず事業に対してのインパクトを出せるのか、ということばかりを考えていました。
事業を前に進め、会社を成長させるために成すべきことは山ほどありましたが、エンジニアはCTOと私の2名のみ。その限られたリソースの中で、常に「やること」ではなく「やらないこと」を選択し続けてきたように思います。
一方で、開発側のリソースが足りないという理由で、事業の成長に制限をかけてはいけない。成長スピードに開発も追いつかなければ、事業を伸ばすことができない。どうしたら自分たちで保守しなくてもシステムが作れるのかを必死に考えていました。
そこで、2014年からAWSを導入することに。2015年の東証マザーズへ上場したタイミングでは、AWSを使ったシステムの構築がメインになっていました。
上場したタイミングも、たった2人のエンジニアチームでしたが、試行錯誤しながら、「選択」と「集中」を繰り返しながら開発を進めたことで事業の成長に寄与できたと思っています。
そこからはメンバーも増え、開発側でできることが増えていきました。しかし、最初から上手くいったわけではありません。
人が増えたことでスピード感をもって進められる反面、成長真っ只中のサービスは方向性が変化することも多く。一定の効果を出したいと言われて開発を進めていたのに、突然要件が変わることは日常茶飯事でした。
さらに事業部や会社の方向性だけでなく、実際に現場で働くメンバーのことが分からないと、ユーザーの本質的な要望の理解ができないといった課題も。
「自社開発だからこそ、疲れてしまう」
なかなかエンジニアが定着しなかった苦い過去でした。
とはいえ、変化スピードを開発側で緩めるわけにはいきません。事業や会社組織の理解を深めるため、拠点見学をしたり、開発チームの合宿を実施したり、チーム制で開発に取り組むなど、さまざまなチャレンジをすることで、徐々にメンバーが定着していきました。
── 現在はベトナムにも開発拠点を設立し、日本と2拠点体制で開発を行っていると伺いました。その理由を教えてください。
MEでは以前より、既存事業はもちろん、M&Aであったり、新規プロジェクトを推進していくなかで、開発リソースが逼迫するという状況が続いていました。
さらにエンジニア不足という世の中的な課題もあり、本社の一部署としてエンジニア組織の最適化を行うのではなく、エンジニア組織としてのカルチャーをつくり、より最適化していくために独立した会社組織を持つことにしました。そして設立したのがMEベトナムです。
現在では、日本とベトナム合わせて40名ほどのエンジニアで開発を進めています。日本のエンジニアメンバーは、基本的にはテレワークのため、打ち合わせやコミュニケーショはZoomで行なっています。
ベトナムにおいても打ち合わせはZoomになるため、コミュニケーションを取る際に、日本メンバーとの大きな差は感じていません。違いがあるとすると言語の壁のみです。
現在は事業部側のメンバーがPO(※2)を担当し、開発メンバーと直接やり取りしてもらっています。これまでは私が間に入っていましたが、プロジェクトが増えていく中で、どうしてもボトルネックになってしまうこともあり、徐々に移譲してきた感じです。
チーム制にしているからこそ、一人のエンジニアに責任を委ねるのではなく、チームで課題を解決してもらうようにしています。チームで意見を出し合って進めていくことで、柔軟にスピーディーに動けていると思います。
※2)POとは、Product Ownerの略。プロジェクトの進行にあたって必要なスケジューリングや予算など、重要な事項において承認や決裁を行う役割のこと。
── 課題解決のために「何でも試し、成果につなげる」文化があるとのことですが、創業時から自社内製化にこだわってきた理由を教えてください。
もともと、MEは創業当初から開発に限らず内製文化がありました。マーケティング、カスタマーサポート、コンタクトセンターや商品管理する物流センターなども自社で運用しています。
内製化にこだわっている理由は、スピーディーに課題を解決したいという思いがあるからです。外注するよりもスピーディーで、且つPDCAを回しやすい。改善が速ければ、お客様によりよいサービスを速く提供できる。
もちろん事業活動にマッチする既存の仕組みやシステムがあったり、外注したほうがコストを抑えられる場合は、外部を活用します。
しかし、世の中にマッチするものがない場合や、事業・サービスのコアとなる部分は内製化しています。
開発においても同様の考えですが、一つ付け加えるとすると、MEサービスの特殊性があげられます。中古の商品をネットを通じて買取、販売するような管理システムで、MEの要求を満たすものは当時存在していなかったのです。
一般のECであれば、メーカーから商品を仕入れて販売します。それらの商品は新品であるため、同じ型番であれば当然同じ状態で同じ価値の商品です。
ですが、リユース商品は例え同じメーカーで同じ型番の商品であったとして、前のオーナーがどのように扱っていたかでその状態が変わってしまい、商品価値も変わります。
つまりは、膨大な商品を全てが「1点もの」の在庫として取扱わなければなりません。
さらに販売チャネルを拡大するために、複数のマーケットプレイスやECサイトへ同時に出品しようとする場合、「1点もの」の商品であるがゆえに、その受注状況をリアルタイムで連動せねばなりません。
こういった事業特性を踏まえ、かつ事業規模の拡大や新サービスの展開に柔軟に対応するためには、既存のEC管理システムの活用では到底無理な状況でした。
開発に要する時間やコストを度外視すれば、外注での開発でも進めることはできたでしょうが、サービスは刻一刻と成長を続けているなか、スピーディーにかつ事業展開に合わせた柔軟な開発を進めなければいけない。
常に事業にとって最適化されたシステムや仕組みをつくり、その部分から更なる事業成長を後押しするためにも、自社内製は今でも大切にしています。
── これまでどのサービスの開発に携わってきたのか教えてください。
全てのサービスですね(笑)。
物流センターのシステム、例えば商品の出品管理などの基幹システムや、オペレーションの生産性を高めるシステムなど。配送の仕組み・物流の仕組みも、外部からもらったほうが楽な部分もありますが、自分たちで仕組みを作っています。
Webサイトの開発も行っており、中には、長いものだと10年以上続くWebサイトもあります。一見、年季の入ったシステムでも新たな技術を取り入れることで、ユーザビリティやセキュリティをはじめ、多方面での改善を重ね続けています。
もちろん多くのサービスを展開している以上、複数の開発を同時に進めなければいけない場面もあります。開発側のリソースの問題で、全て社内でできないタイミングもあるので、その際は外注しています。
しかし、後日社内で構築し直すこともあるため、結果、全てのシステム開発をしていると話したほうが正しいです(笑)。
── 「エンジニアとは挑戦を続ける」ことが大切であると伺いました。その思いについて詳しく教えてください。
日頃から「エンジニアリングじゃないと解決できない課題に対し、結果につなげるためのソリューリョンの提案や実装をする」をミッションに掲げています。
これは業務改善を続けたりサービスの質を追い求めるだけでなく、成果につなげるための提案をすることを指しています。
そのため、「これを作ってください」と言われて作るのではなく、技術的な観点以外にも事業やサービスとしてどんな課題があるかを自らも考え、アイデアを引き出し、時にはエンジニアリング以外の解決方法を提案する。そんなエンジニア集団であろうと伝えています。
OODAループ(※3)を回し、環境の変化に臨機応変に対応できるような意思決定を行う。そして、プロジェクトを成功に導く役目を担うのが、MEのエンジニアチームです。
どんな状況であろうが、解決の糸口を探し出す姿勢で、今後も挑戦を続けたいと思っています。
※3)OODAループとは、先の読めない状況で成果を出す意思決定方法です。Observe(観察)、Orient(状況判断、方向づけ)、Decide(意思決定)、Act(行動)の4つの行動の頭文字をとったもの。
── 「課題解決に向けて挑戦を続け、成功に導く役目を担う」のがエンジニアチームなんですね。そんなエンジニアチーム(日本)にはどのような人たちがいますか?
技術だけに興味があるメンバーはいないです。会社や人、事業に対して興味や関心を持つメンバーがほとんどです。
私たちが展開する事業は、ITだけで完結するサービスもありますが、全体的にリアル(お客様と直接接点がある)サービスも多いです。
リアルが強い会社だからこそ、ITの力で課題を解決する。どう課題を解決するかはエンジニアのセンスにかかっていて、そんな状況を楽しめるメンバーたちばかりです。
企画設計から全て自分たちで行っているので、良い技術があると思ったらやってみる。一貫して、目的を達成するために最適解を求め続け、エンジニアが次々と事業課題を解決をしていっている状況です。
部署では勉強会や懇親会も定期的に開いています。また、最近はAWS主催のイベントに登壇するメンバーがいたり、社内SNSを通じて情報をシェアするメンバーもいるなど、積極的に発信するメンバーが増えています。
── 最適化商社を目指すMEですが、エンジニアチームとしての展望を教えてください。
MEはゲームやアプリを作ったり、データ商品を提供しているわけではないため、世間一般的に言うIT企業ではありません。
しかし、リアルのサービスをITで解決したいという思いで、これまで開発を続け、自社にノウハウを蓄積してきました。
創業時から自社内製で開発を進めてきたネット型リユース事業においては、約10年以上の買取や販売のデータも蓄積しています。
今後の展望としては、これらのデータを分析することで次なるサービスにつなげていきたいと思っています。
会社を発展させていくには自社の利益も必要ですが、自分たちだけが儲かるのではなく、自分たち以外にもメリットがあるサービスを提供したいと考えているからです。
そして、それが長期ビジョンである持続可能な社会の実現につながると思っています。
── 最後に、当社のエンジニア職を検討している求職者へメッセージをお願いします!!
マーケットエンタープライズは、マーケット(市場)をエンタープライズ(冒険的創造)することに由来します。
その名の通り、今後も事業を多角的に展開し、世の中の課題を解決するべくさまざまなサービスを提供して行く予定です。
やりたいことは今も巻き起こっていて、東証一部上場を迎えた現在も「出来ない」を言わないサバイバルは続いています。
「出来る」ことを増やし、事業課題を次々と解決するメンバーに加わって欲しいです。
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