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2021.03.25

徳島のベンチャー企業が地元を盛り上げる!企業誘致の選択肢が生んだ新たな地方創生のカタチ

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「徳島イチ働きたくなる会社」これは、2015年6月1日開設した徳島オフィスのスローガンだ。徳島県・徳島市の企業誘致制度を活用し、拠点を設立してから4年半。8名からスタートした徳島オフィスのメンバーは40名を超えた。挑戦や自己成長を求めながら、徳島に貢献したいと思うメンバーが集い、「雇用創出を通じて徳島に貢献する」という思いとともに組織は成長。2021年3月、人員増加に伴い、念願であったオフィス増床を実現させた。地方拠点開設に苦戦する企業も多い中、なぜ組織を強固にし、人員増加につなげることができたのか。これまでの4年半の歩みを紹介する。

企業誘致制度を活用して徳島県・徳島市にオフィスを開設したワケ

マーケットエンタープライズ(以下、ME)は、ネット型リユース事業を展開し、販売店を持たずにインターネットを通じて、さまざさまな商材の買取から販売を手掛けるサービスを運営しています。

コンタクトセンターで、商材の事前査定や買取方法をナビゲート。全国10カ所にリユースセンターを設け、お預かりした商品のメンテナンスやインターネット上で販売するなど、全国どこでも一貫した品質のサービスを提供しています。

ネット型リユース事業について

お客様とのファーストコンタクトを担うコンタクトセンターは、サービスの起点になる重要なポジションです。これまでは東京にのみ部署を構えていましたが、事業の成長を加速させるべく組織を拡大するにあたって、有事の際にも全国のお客様対応ができるよう、西日本エリアへオフィスの開設を計画していました。

2016年4月18日、徳島県知事 飯泉氏と徳島県庁で調印式を行なった様子

地方に拠点を開設するのであれば、地方創生の一助になりたいという思いもあり、企業誘致制度(※1)を活用することに。複数の自治体からお声がけいただいておりましたが、最終的に徳島県徳島市に決定しました。

※1)企業誘致制度とは、新たな産業や雇用の創出による地域経済の活性化を目的として、行政が企業を誘致すること。

徳島県徳島市を選んだ背景には、MEが持っている既存拠点、大阪・神戸・福岡の拠点にもつながりやすく、東京からも飛行機で移動しやすいという交通の面が理由としてあげられます。

また今後のオフィス拡大を見据え、地元への思いをもち、共に会社を築いてくれる人と働きたいというMEの考えと、徳島県の県民性がマッチしたのも大きな理由の一つです。

もともと県内学生の就職データから、地元で就職する人が多いと把握していましたが、地元の方と会話をするなかで、地元に対する愛が直に伝わり、ここであれば地域に根差した会社を一緒に築いていけると確信しました。

オフィスがある阿波銀住友生命ビルの外観

徳島市に拠点を置くと決まった後は物件選定。誰もが働きがいをもって働くことを願い、徳島駅から近いビルで、かつ見晴らしの良いビルの最上階を借りることにしました。

左:フロアから見える両国橋と新町川、右:会議室から一望できる眉山

休憩室からは上図のように、徳島市を一望できます。(新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、営業縮小・中止となっているものもありますが)目の前の新町川に流れるひょうたん島クルーズが見えたり、夏になると阿波おどりの演舞場から近いため、オフィス周辺がにぎやかになります。

東証マザーズ上場から次なるステージへ。働き方の多様性を切り開く

地元から転勤のない働き方

2016年、創立10周年を迎えるタイミングだったMEは、この年に始めて「地域限定職」という、転勤がない、地域に根差した働き方を導入。

それまでは全国転勤が前提の、いわゆる総合職という働き方しか存在しなかったMEですが、これにより愛する地元を離れることなくベンチャー企業に勤めることで、新たなビジネスにチャレンジしつつ、自己成長も実現できる選択肢を増やしました。

社外でキックオフを開催した時の様子

徳島オフィスは、MEの中で初めて「地域限定職」の働き方を導入した拠点です。企業誘致制度を活用していることから、成長志向が高く、徳島県を盛り上げたい・貢献したいという思いを持ったメンバーが集まっています。

徳島に集まる挑戦的なルーキーたち

開設当初は中途社員の採用のみでしたが、2018年卒より新卒採用もスタート。上場企業とは言えども、徳島県にはなじみのない会社名。徳島から転勤がなく、ベンチャー企業で働きたいという学生に出会えず、当初は苦戦が続いていました。

徳島で働く新卒採用向け画像

それでも「挑戦したい・成長したい・徳島に貢献したい」と思う学生と働きたい、という軸をブラさずに発信を続けたことで、主体性を持った学生が毎年入社をしています。

4月からは新卒4期生のメンバーが入社を控え、社員の半数が新卒社員になるほど新卒文化も根付いています。

組織の最適化。誰もが主体的に働きがいを感じる環境作り

社内では最も社員数の多い部署のため、部内は少数のチーム制にしています。そうすることで、チームの目標にむかって一人ひとりが主体性を発揮できる環境を作っています。

チームごとによるキックオフでの発表

さらに、開設当初はリユース品の買取に関する商品の事前査定を行うバイヤーのみのポジションでしたが、事業が多角化したことを背景に、カスタマーサポートに特化したチームや、農機具や建機の査定をメインに担当するチームも生まれました。

これは、事業と個人双方の特性に合わせてMEが理念として掲げる「WinWinの関係が築ける」環境を具現化したものであり、今後もその姿勢は変わりありません。

新型コロナウイルス感染症への対策も柔軟に

また最近では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、自宅でも勤務できるテレワークを導入。オフィスへの出社人数が多くならないように配慮し、テレワークと併用しながらの勤務にするなど、柔軟に働ける職場づくりをしています。

出社するメンバーにおいては、席にパーテーションを設置し、定期的に換気するなどの感染対策を実施しています。

0から築き上げた組織文化。エンゲージメントの向上とともに成果も向上

今でこそ人員も増えている徳島オフィスですが、最初からうまくいっていたわけではありません。設立当初は組織課題も多く、離職が目立っていた苦しい時期も。

その課題と向き合いながら、組織文化を創るためにさまざまな挑戦と変化を続け、結果として部署のエンゲージメント向上はもちろん、成果にもつながりました。

具体的にどのような取り組みをしてきたのか、ここでは紹介したいと思います。

徳島オフィス独自のスローガンでメンバーの思いを一つに

エンゲージメントが低かった当初は、役職者と社員の間に壁があり、コミュニケーションが円滑に取れず、部署内に悪い空気が蔓延している状態でした。

その状況を打破するため、徳島オフィス独自のスローガンを考案。メンバーが一致団結し、徳島オフィスで働く全員の目指すべき方向が一致したきっかけとなりました。

そのスローガンが「徳島イチ働きたくなる会社」です。

メンバーの多くは徳島を盛り上げたい・徳島に貢献したいという想いを胸にMEに加わっています。そして自ら成長しながらも、徳島に新たな産業や雇用を生み出すことが、その想いを実現させることにつながると考えています。

だからこそ一人ひとりの手で、徳島中の誰もが入りたくなるような会社を創る。そんな想いの込められたスローガンです。

初めてスローガンを発表したキックオフでは、メンバー同士でその実現に向けて議論する時間を設け、「徳島イチ働きたくなる会社」をはどんな会社か考え、意見を出し合いました。

▼「徳島イチ働きたくなる会社」実現に向けて、メンバーが実施した取り組みの一例

大塚製薬社のカロリーメイト専用販売機を設置
桜の木のプロフィールを作成
意見発信フォームの設置

これ以外にも、オフィスの周りのゴミ清掃を定期的に行なったり、地元のパン屋さんの訪問販売を実施したり、地域貢献に向けて社員たちで考案し、取り組みました。

サンクスカードに日頃の感謝の思いを込めて

組織課題を分析した際、尊重し合える関係作りができていなかったこともエンゲージメントが低かった原因として上がりました。そこから発案されたのが、「サンクスカード」です。

普段の業務では伝えられていなかったメンバーへ「ありがとう」を伝える場を、キックオフで設けました。

他部署メンバーから徳島メンバーに届いたサンクスカードの一例

現在は、カードでの配布はありませんが、この「ありがとう」を伝える文化は継承され、社内イントラで届けられるようになっています。

ME史上初!Motivation Team Awardを受賞

上記の取り組みを実施することで、部署内のエンゲージメントが向上。その結果、リンクアンドモチベーション社が発表している「モチベーションチームアワード2020」(※2)を受賞しました。

※2)「モチベーションチームアワード2020」とは、リンクアンドモチベーションが提供する従業員エンゲージメント調査において、「エンゲージメントスコア」(企業と個人の相互理解・相思相愛度合いを偏差値化したもの)が大きく上昇し、組織状態に改善がみられた部署を選出・表彰する式典です。

企業理念にある通り、主体者集団として「徳島イチ働きたくなる会社」実現に向けて取り組んだ結果、組織状態の良化はもちろん、業績面の成長においても寄与したことが表彰につながったと考えています。

参考記事:【お知らせ】当社徳島コンタクトセンターが「モチベーションチームアワード2020」を受賞

高いエンゲージメントを持続する「阿波DX(社内報)」の発行

MEが多角化したことによって、徳島オフィスが担う役割もより広いものになり、新たな部署が誕生しました。今後も新たなメンバーが増えることから、目指すべき方向性の明確化や部署をまたいだ相互理解、そしてMEメンバー全員へ、徳島オフィスの動きを発信するために作られたものです。

徳島オフィスのメンバーによるWeb社内報の一例

徳島オフィスで働くメンバーが企画・制作を担当しています。インタビュー動画も同時に制作し、徳島オフィスの様子やメンバーを知れる、と好評です。

人員増加とともに徳島が担う役割も多角化。グループを支える拠点に

2020年4月には新設部署として、グループカスタマーソリューション室(以下、GCS室)を立ち上げました。グループで展開するサービスのカスタマーサポートを担う部署であり、既存のカスタマーサポート体制にはとどまらない、新たな可能性を開拓していくための部署です。

▼関連記事:

最近ではオンライン化が進み、仕事に対する「働く場所」の概念も変化していることから、ニアショア(※3)拠点として徳島オフィスにGCS室を開設しました。

地方在住型ワークを推進することで、場所に関係なく全国各地どこでも働ける環境を整え、DX化と合わせて働き方の選択肢を今後も広げていきたいと考えています。

※3)ニアショアとは、国内の別地方や地域など、比較的近距離の遠隔地に所在する企業や事業所に一部の業務を移管すること。

徳島県に貢献していると実感できた瞬間。ついに迎えた、増床セレモニー

徳島を盛り上げたい。「徳島イチ働きたくなる会社」を創って一緒に働くメンバーを増やしたい。そして「もう片方のフロアも借りるくらい、メンバーが増えたらいいね」と、昔から話していました。

左:開設当初の徳島オフィス、右:デスク増設後の写真

2019年には2列あったデスクの島が人員増加により席が埋まったため、デスクを一列分増設し3列体制に変更。

新たに増床したフロア

そして徳島オフィス開設から4年半が経ち、8名からスタートしたオフィスは5倍となる40名に。今後もメンバーが増えることを想定し、メンバーの念願であったフロアを増床するに至りました。

社内で実施した増床セレモニーでは、テープカットや、メンバーそれぞれの思いを発表する場面も。

過去に徳島オフィスで勤務していたメンバーたちからもお祝いの動画コメントや、これまでの過去を用いたクイズも実施することで、4年半の歩みを振り返る機会になりました。

グループ全体の基盤を支え、徳島における産業創出と雇用創出の一翼を担う

紆余曲折ありながらも、メンバー一人ひとりが主体性をもって文化を醸成し、「徳島イチ働きたくなる会社」を築いてきました。今ではリユース事業をけん引する中心部署でありながら、グループ全体のサービスを支える拠点へと成長を遂げています。

今後も事業成長への貢献はもちろん、「徳島イチ働きたくなる会社」を実現し、徳島県の産業創出・雇用創出の一翼を担うべく成長を続けてまいります。

*  *  *

<編集後記> 
ブログ編集部の岡戸です。約2年半にわたり、徳島の新卒採用の立ち上げに携わっていたこともあり、執筆しているうちに、自然と熱がこもりました。当時から徳島県に魅了され、今も大好きな場所です。徳島県は阿波おどり、鳴門の渦潮や藍染などが有名だと思いますが、せっかくの機会なのでここでは少し徳島県のご紹介を!川や山の観光地も多く、自然あふれる場所。(ちなみに、光ファイバー網を有していることからネットの通信速度は山奥でも速く、東京都心の数倍のスピードを誇るそうです!)さらにご当地フードも盛りだくさん。徳島ラーメンをはじめ、すだち、鳴門金時やたらいうどんなど、美味しい食べ物もあるのが魅力です。コロナ終息後、皆さんもぜひ訪れてみてください!(徳島県HP:https://www.pref.tokushima.lg.jp/

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記事を書いた人

Journal編集部

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