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2022.03.30

「CHROとして経営を加速させたい」成長を続ける企業の人事の想いとは?上場ベンチャー企業の人事責任者のキャリア。

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マーケットエンタープライズの人事部門、HRディビジョン長の竹原。「CHROとして経営を加速させたい」と言うその真意をインタビュー。

人事のキャリアの先に何があるのか。経営にどのようにインパクトを与えていけるのか。

マーケットエンタープライズ(以下、ME)で人事責任者を務めるのは、竹原 匠(以下、竹原)である。MEがまだ100名の規模だった2015年にジョインし、2021年2月には東証一部へ上場。そして現在国内16拠点・海外1拠点を構え、従業員450名、グループ5社体制の企業となった現在までの組織成長を支えてきた。
グループ経営に移行していく今後、「CHRO(※)として経営を加速させることができるような人材を目指す」と語る竹原に、これまでの人事としての歩みから、MEの変遷、またMEが「これからがベンチャーだ。」と語る理由に迫る。

※組織名、肩書きは公開当時のものです。

※「CHRO」とは「Chief Human Resource Officer」の略称(最高人事責任者)。

成長していてかつ社会貢献性の高い事業だと思い、MEに入社。大切にしているのは「働きやすさより、働きがい」

―― これまでの経歴、またMEに入社した経緯を教えて下さい。

2005年10月から10年間、9,000人規模の大手エンタメ企業グループで人事マネージャーを務めていました。その後、あるスタートアップ企業の創業に携わり、そこでも人事マネージャーを務め、半年で4名から25名規模へと成長した組織を見てきました。

企業活動は「ヒト、モノ、カネ、情報」とよく言われますが、インターネットが急速に普及しはじめた2000年以降に多くのベンチャー企業が産声を上げ、その頃から人事を取り巻く環境は大きく変化したと感じます。

これは、多くのスタートアップ企業やベンチャー企業が「企業の競争力の源泉はヒトである」と感じ始めたことに起因すると思います。私は20代~30代半ばにその時期を過ごし、その変化を強く感じていました。

そして2015年11月にMEに入社するのですが、キッカケとしては代表の小林からスカウトメールをもらったことでした。まだ当時のMEは100名規模で、一次面接でいきなり社長と面談するといった状況だったんです。

そしてお話を聞いていくと、MEの事業は非常に社会貢献性が高いなと感じて。これまでずっと人事としてのキャリアを歩んできていたため、当時の私はその人事の経験をどうすれば社会に還元できるかと考えていました。

そんな中、MEの事業は成長していて、「持続可能な社会を実現する最適化商社」と掲げている通り、とても社会貢献に繋がる価値ある事業だなとそうした事業に関われる機会は、今後の人事キャリアを考えてもなかなか巡り会えるものではないと思ったのが、MEに入社を決めたひとつの理由です。

そしてもうひとつ理由があり、それは小林の人柄に惹かれたことでした。入社前に小林含め、役員全員との会食の機会があったのですが、まずみんながとても人柄的にいい人たちだなと思ったんです。

中でも小林の第一印象は忘れられません。当時のMEは東証マザーズ上場直後でしたが、上場を成し遂げる創業社長というのは往々にして強烈な個性を持っているように思っていました。

しかし、小林からはそうした強烈な印象は受けず、誠実に事業と向き合う傍ら、人や組織を大切にする温厚な印象を受けたのです。実際、私がMEに入社して7年が経ちますが、この小林への印象は変わりません。小林の人柄に惹かれたというのが、もうひとつのME入社の決め手でした。

―― 入社当時100名規模の組織から、現在海外含むグループ5社450名の組織への成長を実現するにあたり、人事責任者として意識されてきたことは何かありますか?

MEは、組織としていろいろなことにチャレンジし続ける会社です。メディア事業や通信事業、総合リユースはもちろん、農機具のリユースしかり、誰も経験していない領域に挑戦し続けている会社ですから、ロールモデルとなるような真似できる対象が常にいない状況でした

そのため、すべてをゼロからつくっていくということを繰り返さないといけません。それは人事の観点からも同じで、組織づくりにおいて模倣対象となるような会社がいないため、一つひとつの課題を拾い上げて、それを解決するにはどうすればいいかと個別具体的に動き、その時々の組織のあり方にフィットするような組織づくりを意識してきました

もちろん業績ばかりを追い求めていると社員が疲弊してしまいますし、一方で社員が働きやすい環境だけを追い求めては、組織として成長しません。そこで、常日頃言っているのが「働きやすさより、働きがいのある組織」をつくろうということでした。

そして個々が思う「働きがい」は異なりますから、社員との対話を非常に大切にしています。100名から450名規模へと成長してきた中で、新入社員の方とは入社3ヶ月以内のタイミングで必ず1対1での対話を行なっていますし、不定期ではありますが全社員との面談も行なっています。

やはり入社前と入社後ではギャップが必ず生まれますし、働く中で上司や同僚には直接言いづらいこと、相談しづらいこともあるでしょう。そこで人事が介入し、社員の悩みや不安を一緒になって解決できるよう進めてきました。

また、これは私がずっと人事としてのキャリアを歩み続けている理由でもあるのですが、私が20代後半のときに、当時の会社からMBAのビジネススクールに通わせてもらう機会があったんです。そして、そのときに「早いうちにこうした機会があれば、自分の可能性はさらに広がっていたのでは」と思うことがありました。

それまで私には特に誇るものもなく、人事としてのキャリアを歩み始めていたものの、どこにでも代わりがいる自分でしかなかったように思います。ビジネススクールでは人事以外の領域も学び得たことで、それまで人事視点でしか考えが及んでいなかったところからビジネス視点で物事を考えられるようになり、一気に視界が変わったように感じています。

そこからは「自分の代わりがいない自分になる」ということを意識することはもちろん、そのような人材を育てることで世の中に自分の価値を還元していきたいと考えるようになりました。

当時の私と同じように、自分の可能性に気づけていない若い方もいるでしょう。そこで、そうした若い方たちの可能性を広げてあげるというのが、私がやるべきことだと思っているため、私は人事としてのキャリアを歩んできましたし、日々の業務でも個々の可能性の最大化ということを意識して取り組んでいます。

MEが上場企業であってもベンチャーだと掲げる理由

―― その時々のMEにフィットする組織づくりとして、人事制度の面ではどういったことを意識して取り組まれてきたのでしょうか?

常に変化の連続ではありますが、中でも大きな変化としては、グループ経営への拡大が本格的に進んでいき、様々な価値観を持ったメンバーが集ってきたことでした。そのため、人事としても社員一人ひとりの多様性を認め、受け入れる組織、人事制度を目指しています

最近では「ダイバーシティ&インクルージョン」という表現が一般的になっていますが、MEでは数年前からそのような取り組みを行なってきました。

たとえば2016年のタイミングでは、地域限定社員採用を導入。それ以前までは総合職のみで、転勤の可能性もある働き方が基本だったのですが、徳島オフィスが立ち上がり、地域に雇用を生み出すという目的もあったため、転勤のない働き方が生まれています。

また、2018年には様々なキャリアを経験したい社員のためにジョブローテーション制度を設けたり、一定の条件下での副業の許可、また時短勤務やフルリモートでの勤務を導入するなど、一人ひとりの働きがいであったり、重視したい働き方を実現できる人事制度を目指してきました。

そして、やはり企業の成長を加速させるのも、鈍化させるのも、大きな要因となるのは「ヒト」です。そのため人事制度においても、社員一人ひとりの仕事の価値観に合わせた挑戦や成長ができる機会づくりに取り組んできました

―― MEの採用では「この会社は、これからがベンチャーだ。」という新しいキャッチコピーが打ち出されました。あらためてこのメッセージにはどういった想いが込められているのか教えて下さい。

MEは創業から15年が経ち、東証一部上場企業となりましたが、外部からの見られ方と実際の私たちらしさというものにギャップが生まれはじめていると感じています。採用においても、「上場企業だから入社したい」というモチベーションではなく、「ベンチャー企業だから入社したい」というモチベーションでいてほしいなと思っているんですね。

人事制度含め、もちろん組織として整ってきてはいますが、MEの事業はすべてが安定成長フェーズにあるかというと、そうではありません。新規事業も多く、また今後も新しい事業が立ち上がっていくでしょう。

そして社名にある「エンタープライズ」という言葉の語源には「冒険」という意味がありますが、私たちは常に新しい冒険を続けて、市場を作り続けていく存在でありたいという想いをそもそも社名に込めているわけです。

そのためMEは上場企業であろうと、やはりベンチャー企業なんですよね。もちろん求職者の方にとっては、スタートアップ企業に入って成長したいと思われている方もいるでしょうが、MEであれば経営基盤が整った土台の上で、スタートアップビジネスを経験できます。

それはつまり、MEだからこそのリソースを活用して事業をグロースさせていくことができるでしょうし、結果として世の中に与えられるインパクトも大きく非常にエキサイティングなことで、そうした経験がヒトを成長させていきます

また、私たちは理念でも主体者集団で在り続けると掲げており、組織づくりにおいてもチーム構成をあえて少人数、多くても10名以下になるようにするなど、それぞれが主体性を発揮できることを大切にしています

そのため、若くして主体性を存分に発揮することが可能で、実際にグループ会社であるMEモバイルを創業し代表を務めた中村(現在はMEの執行役員)は新卒入社したメンバーですし、新卒2年目で新規事業を立ち上げ、ME初の女性グループ会社役員となった伊藤など、多くの若手がベンチャーマインドを持って活躍しています。

東証一部上場企業であっても、やはり「この会社は、これからがベンチャーだ。」というのが本当のMEらしさですし、外部にも発信していくべきだと考え、コンセプト刷新に至りました。

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「主体性を発揮すれば、誰もが主役になれる」CHROを目指し、今後もグループ経営を加速させていく

―― 人事責任者の立場から見て、どういった方がMEに合うと思われていますか?

新卒、中途問わず、主体性を持って仕事に取り組めるということがMEで活躍できるヒトの特徴であると思っています。人事制度もそうですし、新規事業の立ち上げもそうですが、MEは常にロールモデルがいない領域でチャレンジをし続けています。

当然ながら新しい領域というのは、わからないことだらけですから、経験があるなし問わず、必ず課題が生まれるわけです。

そのときに、自ら課題を発見し、課題に対する打ち手を複数用意し、その中から最適な選択肢を選んで実行するということが主体者と言えるでしょうし、そうしたことができる方がMEに合っているなと思っています。

そして主体性を発揮すれば、誰もが主役になれるのがMEです。そのため、 “これがMEのやり方” といった決まったプロセスはなく、ゴールにたどり着くまでのプロセスに制限はありません。普通の会社だと白い目で見られるようなプロセスであっても、MEの成長に繋がることであれば、誰もやめろとは言いません。

むしろ、いまあるプロセスを最適だとも思っていないため、過去のやり方にとらわれず、ぶち壊していくくらいの気持ちが大切だと思っています。

―― 最後に、竹原さんご自身の今後の展望を教えて下さい。

いよいよグループ経営の組織体制が築けてきて、今後よりグループ経営は加速していくフェーズに入っていきます。そして各グループ、各事業の規模も大きくなっていき、いまと同じような人事体制、人事制度では限界が来るタイミングが必ず訪れるでしょう。

そこでグループごとに最適化された人事制度が生まれるような形が健全ですし、グループごとに分かれた人事機能(HRBP)が出てくると思っています。そうしたときに、全グループ企業の人事領域全般を統括し、経営を加速させることができるようなCHRO(最高人事責任者)の役割を担える人材を目指していきたいと考えています。

私たちのように拡大を続ける企業グループにおいては、経営の意思決定はより複雑になり、今まで以上にスピード感が要求されるはずです。単なる従来型の人事機能をオペレーションする部門の責任者としてではなく、経営の一員として、ヒトや組織の面から事業の成長をサポートしていきたいと考えています。
そして、どんなに企業規模が大きくなろうとも、私自身の理想である「自分の代わりがいない人材」を一人でも多く輩出するために、一人ひとりと向き合うことを忘れずに。

「企業の競争力の源泉はヒトである」これは前述した言葉になりますが、マーケットや企業の競争環境が変わろうとも、この言葉の普遍性を意識しながら、MEが掲げるビジョン「持続可能な社会を実現する最適化商社」を目指していきます。

記事を書いた人

Journal編集部

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