マーケットエンタープライズ(以下、ME)に新卒で入社し、12年目に突入した青沼が2023年4月、環境省に出向した。これはリユース企業としても初の試みだ。リユース部門で積み上げたキャリアを活かし、環境省ではどのような役割を担い、どんな取り組みを行なっているのか。本記事にて詳しく紹介する。
青沼 宏人(あおぬま ひろと)
平成23年にマーケットエンタープライズ入社し、東京リユースセンターに従事。翌年、販売責任者としてEC販売業務を担務した後、翌年、当時の最年少の26歳で大阪リユースセンター長に就任。その後、名古屋リユースセンター長を2年勤め、新規事業や中古農機具の買取販売企画室 室長など幅広く経験した後、入社して12年の節目の2023年4月にリユース業界では初となる環境省へ出向。資源循環局のリサイクル推進室に従事する。
ーー新卒三期として入社し、12年目に突入しますね。当時就活生だった頃に遡り、MEに入社した決め手を教えてください。
就活当時は大手企業を中心にエントリーをしており、内定もいくつかいただきました。しかし生涯安泰の大手企業よりも若い頃からやりがいを感じつつ、成長できる環境で仕事がしたいとマインドチェンジをしたんです。その時に、就活の軸も変えてベンチャー系を中心にエントリーするようになり、そんな矢先にマーケットエンタープライズと出会いました。
ーー数あるベンチャー企業のなかで、MEを選んだ理由を教えてください。
MEの事業の軸となるネット型リユースに興味が沸いたのです。当時、リユース事業は現在ほど顕在化されていないビジネスで、将来性を感じたのと独自性に興味が沸きました。
すでに仕組み化されている事業よりも、自分次第で色々な未来を描けるのではないかとワクワクしたのを覚えています。
ーー実際に入社して感じたことは何ですか?
ひとことで言うと「利益追求」と「人的魅力」の両方を兼ね備えた企業だと思っています。予算達成のため常に数字を追い続ける集団でありつつも、人を大切にする、あたたかみのある魅力的な人たちが集まっています。
東証プライムに上場し規模が拡大しながらも、人同士の配慮を疎かにしない、そんな会社です。
ーーMEで歩んだキャリアを教えてください。
新卒三期で入社し、リユースセンターの東京、大阪、名古屋を経験しました。大阪では当時の最年少でセンター長に抜擢されました。リユース品の買取から販売まで一貫して学び、またセンター長としてヒト・モノ・カネのマネジメントスキルを学ばせていただきました。
その後、新規事業のため東京に戻り、医療機器のリユース事業の立ち上げやM&Aに携わっています。その後、中古農機具のマシナリー事業にて新設された買取販売企画室に在籍し、国内外の販売や在庫管理、カスタマーサポートなど幅広く担当しておりました。
ーー環境省へ出向の声がかかった時、率直にどんな気持ちでしたか?
初めに呼び出しがあった時は人事異動かな、と内心緊張したのを覚えています(笑)
代表に呼ばれ環境省への出向の話をもらった時は、予想と180度違う話だったので全くイメージがつきませんでした。しかしMEでキャリアを重ね、ある程度の信頼をおいていただき、次の成果に繋げてくれるのではないかという期待を感じたので、チャレンジに踏み切りました。
ーー環境ががらっと変化しましたが、出向後の気づきはありますか?
MEが企業理念として「WinWinの関係が築ける商売を展開し商売を心から楽しむ主体者集団で在り続ける」と掲げている通り、自分たちだけ利益が出れば良いという考えではない。環境省はじめ、各省庁も国民の生活がより良くなるために働いています。その点では(当社の企業理念と)共通していると思いました。
またMEで「主体的に動く」という部分が根付いているので、例え環境が変わったとしても、ある程度のことは乗り越えられると感じています。
当社で「やったことないからできない」というスタンスでは、いい仕事のパスをしてくれるメンバーがいない。そうではなく、「できるかわからないけど、まずはやってみる」という人には手を差し伸べ、フォローをしてくれる会社です。
ーーさまざまなキャリアを歩んで来たようですが、仕事をする上で大切にしていることはありますか?
MEでは、自社の行動指針の「10core values」があります。私が経験した企業はMEのみですが、これはどこへ行っても通用する指針であると気付かされました。
官民関わらずどの職業に就いても、スピードであったり、長期的な視点であったり、根源は「10core values」に基づいていると感じます。MEでは「持続可能な社会を実現する最適化商社」という長期ビジョンのもと、各事業、各部署が動いております。
ところ変わって現在いる資源循環局では、「循環型社会形成推進基本法」 に基づいて「サーキュラーエコノミー・カーボンニュートラルといった循環型社会」を目指し、それぞれが役割を全うしています。各ビジョンは似て非なるものですが、行動指針は「10core values」が共通していると私自身は思っています。
以前、大阪リユースセンター長に着任した頃に、小さな挫折を何度も味わいました。私が当時26歳でまだ若かったというのもあり、最初はなかなか信頼を得ることができませんでした。しかし、つまづいた時こそ「信頼を得るためにはどうしたら良いか?」と、初心に立ち返ると全て10core valuesの行動指針に繋がっているんです。
よく信頼残高という言葉がありますが、信頼の預金を蓄積するために、日々コツコツと積み立てていれば結果は自ずとついてくると思いました。その信頼残高が積み上がってくると、新たなチャレンジや責任のある仕事を任せてもらえるチャンスが増えるんです。
環境省が推し進めている3R(リデュース、リユース、リサイクル)を促す取り組みが、SDGsの相乗効果もあり、リユースという言葉が、MEに入社した時よりも使われる機会が増えてきました。
とはいえ、まだまだ伸びしろはあると感じています。リユースは、循環型社会の形成において必要不可欠なものになりつつあります。2025年にはリユースの市場規模は3.5兆円(※)の拡大が予測され、リユースを利用される方もさらに増加していくことが見込まれます。
よって更なる認知向上のために、環境省としても企業としても新たな施策やプロモーションが必要であると考えています。
(※)出典:リサイクル通信
ーー現在環境省ではどのような業務に携わっているのですか?
現在は環境再生・資源循環局 リサイクル推進室に配属し、プラスチック資源循環や脱炭素社会にまつわる啓蒙活動や新しい法の発信などをメインに行なっています。
先日もテレビ局の子供向けイベントにブースを出展したり、プラスチック資源循環をPRするため人気アニメキャラクターとのコラボレーションをしたり、秋に開催されるイベントへの協賛も予定しております。
今まで携わってきてこなかった分野なので、毎日良い刺激を受けています。環境省の一員であると同時に、私も税金を納めている国民の内の一人なので、少しでも効果が生まれることは何かというのを目下模索している日々です。
ーーキッズイベントの反響はいかがでしたか?
参加者からは「思ったより海洋プラスチックゴミが多い事を知った」「 今後は自治体のごみの分別ルールに沿ってごみを廃棄しなくては」という声をいただきました。ごみや資源循環への少しの意識付けができれば、イベントの付加価値がつけられたと実感させられます。
他にもレジ袋有料化に対する一般の問い合わせ窓口を担務しており、質問や相談を受けることもあります。MEではカスタマーサポートとして、お客様に寄り添ったヒアリングや提案を行っていた経験がありました。そのため、CSの経験を生かし、初日から難なく電話対応に貢献することができました。
ーーリユース業界初のいち代表として出向し、互いにどんなWinWinが生み出せると思いますか?
何か大きな成果を出す、というよりは環境省内でも人脈や人間関係を構築ししっかりと会社、ないしリユース業全体に還元することがミッションであると思っています。
環境省にいると、日々色々な情報が入ってくるので以前の僕では引っ掛からなかったアンテナが張り巡らされ、提案に繋がっていますね。
ーー出向期間が満了になり、MEに戻った後描いているキャリアビジョンは?
出向後はより視野が広がり、「人々が持続可能な暮らしを実現するにはどうしたら良いか」と、考える時間が増えました。MEへ戻る頃には今構築している人脈やノウハウを生かし、いずれリユース業界全体に貢献できたら本望です。
ーー改めて、MEで働く魅力は何ですか?
MEで与えられた仕事だけをこなすということはほぼないと思っています。主体的に大きな仕事がしたいと思えばいくらでもチャンスは転がっています。
やる気とアイディア次第で、1人だけではできない攻めの部分にもトライできることが最大の魅力ではないかと。
ーー最後にどんな人と一緒に働きたいですか?
挑戦し続ける人と一緒に働きたいです。挑戦=主体者だと思いますし、人任せではなく、チャレンジ精神のある人に来てもらいたいと思いますね。
成果と信頼残高を積み上げ、環境省出向という新たなキャリアの選択肢を手にした青沼。深掘りしてみるとMEの掲げている企業理念や、行動指針が根底にあるからこそ一朝一夕では培えないナレッジを発揮しているのではないでしょうか。
MEでは、持続可能な社会の実現を目指し、循環型経済(サーキュラーエコノミー)の発展のため、官民連携の潤滑油として今後も推進してまいります。
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