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- 外務省が管轄するJICA主催の「共創セミナー」に出展! アフリカをはじめ、31カ国に向けて中古農機具事業をプレゼン
マーケットエンタープライズ(以下、ME)は、外務省が管轄する独立行政法人国際協力機構(JICA)筑波の農業共創ハブが主催する、「共創セミナー」に出展。アフリカを初めとする31カ国のJICA研修員55名と、AFICAT 招聘団(※)に、開発途上国が抱える農業課題の解決に向けて、当社の中古農機具事業をプレゼンをした。本記事では、アフリカが抱える課題からセミナーの内容、MEが解決できることについて紹介する。
(※)AFICAT招聘団
AFICATはアフリカ諸国における先進農業技術の導入促進を官民連携で実施する枠組み。コートジボワール、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、タンザニアから農業機械化に関わる政府高官及び産業界代表9名が参加。
参加国:エチオピア、ガーナ、リベリア、シエラレオネ、東ティモール、ウガンダ、ザンビア、コートジボワール、ベナン、ブルンジ、ギニア、コンゴ民主主義共和国、コンゴ共和国、ケニア、タンザニア、アンゴラ、ナイジェリア、セネガル、ボツワナ、レソト、マラウイ、ナミビア、ジンバブエ、フィリピン、カンボジア、 ラオス、バングラデシ、インド、ネパール、スリランカ、パプアニューギニア
MEではリユース事業を中心に、メディア事業、モバイル通信事業を展開しています。リユース事業のなかには、中古農機具の輸出を行うマシナリー事業が存在します。マシナリー事業では、買取をした中古農機具を国内のみならず、欧州を中心に世界各国へ輸出を行なっています。
農機具の仕入れ先は一般の農家はもちろんのこと、農機具を扱っている店舗、JAや全国のディーラーが中心です。農家からの売却依頼は年間約12,000件にものぼり、買取後はしっかりと洗浄し、必要に応じて修理を行います。
このような過程を経て命を吹き返した農機具は、会員制の海外向け販売サイト「FARM MART」を通じて、世界各国に向けて販売しています。日本の農機具は中古でも丈夫で壊れにくく、修理がしやすいことから海外でも非常に高い人気を誇っています。
約2000点の在庫を常備し、その農機具の約7割を海外へ輸出するその数なんと、80ヵ国以上。オランダ・フランス・ハンガリーなどのヨーロッパを中心に、カンボジアやベトナムといったアジア圏や、エジプトやイエメンなどの中東でも使用されています。
MEでは世界80カ国以上と幅広い国に向けて中古農機具を輸出していますが、最近ではアフリカ圏の大使館の方が茨城県結城市にある北関東リユースセンター(マシナリーの物流拠点)へ来訪する機会が増えています。
これまでに6カ国の大使館が訪れて来訪しており、それぞれの国が自国農業の生産性向上のために中古農機具に関心を持っているようです。
過去に農機具メンテナンスの技術指導を目的に、JICAの依頼でアフリカに当社の社員が訪れたことがありました。今回行われた共創セミナーではJICA筑波を拠点とし、開発途上国の抱える農業の課題解決を目指す取り組みです。
導入コストのハードルの低さ、そして作業効率化の観点から中古農機具の普及はアフリカで農業に携わる人にとってもWin Winの関係が築けると考え、MEではこのセミナーに初出展。国の農業に関するイニシアチブを握る諸外国の人たちとの接点を持ち、 中古農機具をより世界へと羽ばたかせる可能性を探ります。
では、共創セミナーではどんな内容のプレゼンが行われ、アフリカを中心とする皆さんの実際の反応はどのようなものだったのでしょうか?
晴天なる5月26日(金)、JICA筑波にて過去最大の人数となる総勢113名(オンライン含む)が参加する共創セミナーが開催されました。MEの他にも大手農機具メーカーなどの民間企業7社がブース出展。
中古農機具活用による農業活性化を目的に、アフリカを初めとする各国のJICA研修員55名と、(※)AFICAT 招聘団9名を中心にブースの視察やヒアリング、デモンストレーションを行いました。各国が農業で抱える課題をヒアリングし、 中古農機具のアフリカ輸出の足掛かりを探ります。
(※コートジボワール、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、タンザニアから農業機械化に関わる政府高官及び産業界代表9名が参加。JICAのセミナーには今年初めての参加)
参加者に向けて中古農機具の売買事業を行う、マシナリーカンパニー執行役員の有馬によって当社の事業に関するプレゼンが行われました。
プレゼン相手は各国の省庁に勤める行政官や普及員、研究者や留学生などで皆熱心にその内容に耳を傾けます。
配布された料に記載の「One tractor One household」というキャッチフレーズを見て「Wao!」とナイスリアクションをされている方もいました。このフレーズを直訳すると「1家に1台のトラクターを」という意味です。
新品の農機具だと「高くてとてもじゃないけど買えない」という農家でも、中古農機具ならコストが抑えられ一般の方でも手が届きやすい価格のため、一家に一台のトラクターも夢じゃない、という意味合いが込められています。
MEでは2006年の設立以来、「持続可能な社会を実現する最適化商社」として事業を多角的に展開してきました。リユース事業で培ったノウハウを生かし2017年、中古農機具のリユース事業がスタート。現在では中古農機具輸出実績は80カ国以上にも上り、日本の農機具は性能が良く、中古でも壊れにくいため、海の向こうの諸外国からたくさんの喜びの声をいただいています。
また、東証プライム上場企業であること、大手ECショップをはじめ、大手のメーカーや商社、メガバンク、40を超える自治体とのアライアンス実績があることを中心にプレゼンしました。
プレゼン終了後には「私たちの国にとってあなたたちのビジネスが大きなマーケットになるに違いない」と激励してくださった方や、「名刺をくれる?忘れたくないので」と仰る方も。
MEの事業に関心を寄せてくれた多くの方に囲まれ、今後の取り組みに期待が高まりました。
フリーディスカッションの時間には実際の農機具を動かしてもらいながら、運行説明を行う場が設けられました。当社が用意したのは、農機具の主要機種であるトラクター、田植機、脱穀の機能を持つコンバインの3機種。中でも汎用性のあるトラクターはすぐにでも導入したいとの声が大きかったそうです。
操作については「予想よりもすごく簡単にできそう」と高評価です。 現地では脱穀作業を手作業で行っているため、コンバインの収穫はもちろん、機体内部で自動的に脱穀ができることに感動していました。
有馬と共に各国に向けて中古農機具のPRをした西村に、事後インタビューをしました。西村は農機具の輸出部門の責任者でもあり、JICAから要請を受けてアフリカや南米でもへ農機具の使い方をレクチャーしたこともありました。
ーー JICAの共創セミナーを通して体感したことと、取り組んで行きたいことはありますか?
西村:日本の古くて丈夫な中古機械が世界から評価を受けていることについては、各国から納得の反応を得ることができました。一方で課題は、機械が現地で活躍するかどうかの前に経済面と整備士、オペレーターの育成があり、そして機械トラブルに対してのパーツ供給も含めた対処をどうすれば良いかという点が多く上がっています。これらを解決をし、持続的な生産を可能にするためには民間企業だけではなく、官民連携を図り一歩ずつ進めていく必要があると思いました。
ーー 中古農機具を実際に見て触った諸外国の反応はどうでしたか?
西村:それぞれの国の食糧事情や土地柄が日本の農機具の用途にダイレクトに反映されていると感じました。例えば、ガーナでは主食の1つがお米で、日本と同様に一つひとつの田んぼが小さい。そのため日本の農機具の大きさがちょうど良くて魅力的だそうです。
南アフリカに所在する小さな王国、レソトは農業の労働人口が減少傾向にある中で、ほとんどの農業がまだ手作業なのが現状です。機械化は必須ななか、機械をレクチャーする必要があるため、小型で操縦がシンプルな機械からのスタートを検討中です。
ーー 実際に商談が進んでいる国はありますか?
西村:レソトの他に、ガーナはすでに新車の農機具は輸入経験があり、新車の課題も出てきていることから、中古機械はその課題を解決する可能性を感じている様子でした。
JICAの共創セミナーを通じて、人口増加に伴い、経済成長を続けるアフリカに我々のビジネスが少しでも寄与できることを確信できました。まずは少し前進できたことに我々一同大きな喜びを感じております。
共創セミナーでは、開発途上国で課題を抱えながらもたくさんの可能性を秘める各国への架橋となるキーマンたちが一度に会する大変貴重な場となりました。まずは当社の事業やビジョンを認知してもらい、各国で具体的にどんな問題を抱えているのかをヒアリングするなど、国境や言葉の壁を越えてダイレクトにコミュニケーションが取れたことに大きな意義がありました。
中古農機具を輸出し、普及させることによってアフリカ各国の先進農業技術の向上、雇用の創出、食糧難の解決の一助になればと考えております。
MEでは今後も持続可能な循環型経済を追求し続けてまいります。Journalでは引き続き、マシナリー事業とアフリカとの関係を随時レポートしていく予定です。
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株式会社マーケットエンタープライズは東証プライム上場企業です。「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げ、ネット型リユース事業を中心に、メディア事業、モバイル通信事業を展開しています。
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