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2020.01.30

そめひこ氏に聞く。素人が立ち上げたオウンドメディア事業が「わずか3年で四半期利益1億超」となった裏側について

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マーケットエンタープライズ(ME)では、コーポレートディベロップメントディビジョン(CDD)というチームを組成し、多様な経験を持たれている社外の方を迎え入れ、社内の様々なプロジェクトに参加してもらう取り組みを行っております。

今回は2016年からCDDの一員としてオウンドメディアの成長をサポートいただいている株式会社MOLTSの代表取締役である寺倉 大史(旧そめひこ)氏を迎え、これまでマーケットエンタープライズとどのような取り組みを行ってきたのか、また外部の人の目から見てマーケットエンタープライズはどう映ったのか、お話を伺いました。

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ミッションは、オウンドメディアでいかに他事業収益に繋げていくか。立ち上げフェーズからアドバイザリーとして携わる

―― これまでのキャリア遍歴、また得意とする領域をあらためて教えていただけますか?

はい、まず大学を卒業して経営コンサルファームに入社します。その後、広告代理店、藍染職人を経て、2013年にオウンドメディアで話題になっていたLIGという会社に入りまして、同社にてメディア事業部部長、人事部長、最終的には執行役員を務めておりました。

そして2016年3月にデジタルマーケティングファーム『MOLTS』を立ち上げ、独立。MOLTSにはデジタルマーケティング領域において実績のあるプロフェッショナルが集まっており、様々なプロジェクトに参画し戦略立案からアドバイザリー、コンサルティング、インハウス化、施策代行まで幅広く支援しています。

また人事責任者を務めていた経験から、組織開発として一部採用や組織の評価指標といったことのコンサルティングも行っています。


―― マーケットエンタープライズとの取り組みは、いつ頃からスタートしたのでしょうか?

2017年にある企業からマーケットエンタープライズを紹介いただき、お取り組みをスタートさせることになりました。当時のマーケットエンタープライズは、まだオウンドメディアがあったわけではなく、総合宅配レンタルサービス『ReReレンタル』の集客チャネルとして「オウンドメディアをこれから立ち上げたい」というフェーズでした。

そこでオウンドメディアをどう立ち上げ、いかに事業収益に繋げていくかというところをアドバイザリーとして携わらせていただくことになりました。ただ、いまでこそメディア事業部がありますが、当時は事業部どころか、メディア未経験、かつ他の業務の片手間で集まったメンバーが4〜5人いる状態だったんですね。

そのため、「そもそもオウンドメディアとは何か」「商業メディアとはどう違うのか」「どう成果に紐づくのか」「どうオウンドメディアを組み立てていくのか」「コンテンツはどうつくっていくのか」といったところからスタートし、初期はメンバーに対しての教育に専念していました

そして途中からマーケットエンタープライズの中で新しいオウンドメディアがどんどん立ち上がっていったため、現在は中長期的なアドバイザリーとしてそれら複数メディアに携わらせていただいています。

現在のメディア・プラットフォーム事業

全社を支える一事業へと成長「僕自身、オウンドメディアが株価上昇に起因するという発想がなかった」

―― アドバイザリーとして、具体的に意識して伝えてきたことは何かありますか?

初期ステージはひたすら今の行動が成果に紐づくことを説きつつ、行動量を最大化してもらうためにどうすればいいのかを意識し続けました。とにかく定めた戦い方に対して、圧倒的な行動量をとるように、と。また成果が出始めてからは「いかに次のステージをつくるのか」ということを意識しています。

自社で運営していると当然「自分たちのオウンドメディアをどう伸ばしていくのか」という考え方を持って進めていくと思うのですが、客観的に見ると思わぬリスクが隠れていたりします。

たとえば、簡単な例でいうと「検索からのトラフィックが伸びた!」という状況のときに、メンバーのみなさんは当然「もっと流入を増やすにはどうすればいいか」ということを考えるでしょう。それはとても大切で、様々な理論や考え方がある中で、突き詰めて選択と集中をして行動をとれば成果が出ないことはないので。

しかし、ある一定ゾーンからは、検索依存が強まってしまうと、アルゴリズムの変動で検索順位が落ちてしまったときのダメージは大きいため、そのリスクを踏まえて事前にどういったことを対応すべきか、というのも同時に考えなければなりません。

目標に対して上振れしたタイミングこそ、様々なリスクを意識して、次のアクションを起こしていくこと。また外的要因も内的要因も含めて次のステージをつくっていくことが重要なため、当事者のみなさんが全力で突っ走っていて見えないことを、客観的にアドバイスするようにしていました

また、僕自身は様々な企業のオウンドメディアを見させていただいているため、業界全体でどういったトレンドがいまあるのかを見ることができますし、またクライアント様から最新の情報を教えていただくこともあります。

そういった情報を形を変えて他企業も含め共有させていただいており、より俯瞰的な視点でアドバイスしてきました。

―― 約2年半、アドバイザリーとして入っていただいてますが、これまで思い出深いことは何かありますか?

解像度の違いはあれど、マーケットエンタープライズのみなさんと同じ目線を持たないといけない、と思い進めてきました。そのため、最初の送客、最初のコンバージョン発生、売上貢献の節目など、各ステージごとに喜びを共有できたことがとても嬉しかったです。

オウンドメディア運用って華やかに見えて、実はめちゃくちゃ泥臭いことばかりなんですよ。しかも商業メディアと違い、僕はオウンドメディアをマーケティングの手段だと捉えています。戦略と戦術を決めたら、まず最初はひたすらに行動を取り続け、データ分析を行い、改善していく、といった地道なことの繰り返し。

一方で、今回とった戦略、戦術はすぐに成果に繋がるわけではなかったため、オウンドメディア立ち上げ後の3ヶ月から半年間は、一切最終成果に繋がらずメンバーのみなさんにとって非常にツラい時期だったと思います

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さらに当時はマーケットエンタープライズにとっても投資期間と位置づけていた時期であったため、恐らく早く成果を見たかったはず。なので、オウンドメディアによる成果が出るまでの期間は代表の小林さんなどにも「もう少し耐えてください」と言い続け、我慢していただいていました。そのため、はじめてオウンドメディアを経由して成果が発生したときは本当に嬉しかったですね。

また、はじめは片手間のメンバーが集っていた状態でしたが、いまではメディア事業部として専任メンバーが10名以上所属する組織となり、描かれた経営戦略の中で適切にオウンドメディアが機能し他事業含め収益があがり、かつマーケットエンタープライズを支える一事業に短期スパンでなりました

マーケットエンタープライズ 2020年6月期 第1四半期決算短信より抜粋

小林さんが「2年間は利益を出さず投資する」と宣言し、その投資へのリターンの一部分に「アドバイザリーとして答えられたと言っていいのでは?」と思うととても嬉しく思いますし、様々な要因があることは大前提として、要因の一つにオウンドメディアの貢献が入ってきちんと株価も上昇しているというのは嬉しく思うのと同時に、描かれた経営戦略をみて客観的に凄いなと思いました。

オウンドメディアは目的に応じて様々な可能性があると思っていますが、株価を上昇させる手段になるとは思っていなかったんです。描かれた経営戦略と、突き詰めた成果の先には、こういう結果もあるのかと。僕としても珍しい経験であったため、その一翼を担うことが少しでもできたと思うと、あらためてマーケットエンタープライズとのこれまでの取り組みはどれも非常に思い出深いなと感じています。

わずか2年半の間でも事業はどんどん多角化していく。「次は何をするんだろう」と楽しみで仕方がない

―― マーケットエンタープライズのメンバーは、外部の立場であるそめひこさんの目にどう映りましたか?

様々なクライアントを見させていただいている中で、マーケットエンタープライズのみなさんの特徴は、まず抽象化、構造化が非常に上手なメンバーが揃っているなということです。

みなさんプロセスではなく、しっかり成果に向き合っていて、成果を生み出すための手段としてオウンドメディアやコンテンツがある、という捉え方をされているんですね。ここがまずブレない。

そのため、オウンドメディアもコンテンツも企画も、ただつくるというではなく、成果をきちんと定義し、どう作るのかを学び、行動し、成果が出たデータに照らし合わせて、いかに最適な、かつ効率化するためのフレームワークをつくっていったりと、学んだことを横展開していくことが非常に上手。

また、企業理念にも「主体者集団で在り続ける」とある通り、みなさん受け身の姿勢ではなく、主体的に次々と行動を起こしていくんですね。お打ち合わせの度に、「あ、ムッチャ前に進んでますね……あの、僕、必要です?」と言ってしまうくらい(笑)。

気づいたらどんどん新しいメディアが立ち上がり、また買収を繰り返し行われていて。マーケットエンタープライズが『SIMチェンジ』を買収したときも、プレスリリースで知ったくらいです。「もう次いくの!?」みたいな(笑)。

本当にどんどん意思決定されて進んでいくため、僕も方向性だけアドバイスしていく、という感じで、むしろマーケットエンタープライズのスピードついていくのが僕自身、必死でした。

アクセルを踏むと決めたら一気に踏む、そしてその踏み方に対して個々人がどんどん主体者として前に進めていく。組織としての強み、それをひしひしと感じています。

―― マーケットエンタープライズの今後に何か期待することがあれば教えて下さい。

やはり外部の人間として、マーケットエンタープライズにはワクワク感が多くあります。意思決定の早さは他社とは比較にならないくらい早いですし、農機具や医療機器の買取を始めて一気に伸ばすなど、この2年半の間でも事業がどんどん多角化していったのを見ていると、単純に「次は何をやるんだろう」と楽しみなんですよ。

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その中でも特に期待しているのは、最適化商社として社内で今後どんな化学変化が起こるのだろうか、ということ

リユースを軸に数多くのサービスを持ち、全国各地に拠点もあり、メディアが複数ある。Webとリアルと情報、それらがどうクロスして、どんな展開が次に起きるのか。主体者集団のマーケットエンタープライズのメンバーが、生じた化学反応に対しどうコミットし戦っていくのか。

アドバイザーとして中に関わりつつも、マーケットエンタープライズの多角化、意思決定から成長までの速さ、狙い所など非常に勉強になるので、一人のファンとして楽しみにしていますし、経営者として学ばせていただいています。

そして単にアドバイザリーとしてではなく、これからも僕にできること、提供できることがあれば何でも提供させていただきたいなと思っています。これは弊社の話になってしまうのですが、MOLTSでは「美味い酒を飲む。」という理念を持っていて、仲間と思える人たちと一緒に大きなことを成し遂げたときに美味い酒が飲めると。

すでにマーケットエンタープライズのみなさんとは、ツラい時期も一緒に乗り越えてきた仲間ですから、これまで以上のより美味い酒を飲めるよう、これからも僕にできることがあればお手伝いできたらいいなと思っています。

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記事を書いた人

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