決算概況

(単位 : 百万円)

2023/6

第1四半期

2024/6

第1四半期

前年同期比

増減額

前年同期比増減率(%)

売上高
4,106
5,492

+1,385

+33.7
営業損益
-154

69

+223

+30.0

親会社株主に帰属する
当期純損益

-325

-48

277

 当社グループは「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げ、多様化する消費行動や様々な消費スタイルに対し、個々人そして一部の商品・サービスにおいては事業者や法人にまでその枠を広げ、インターネットを通じて最適な消費の選択肢を提供するべく事業を推進しております。
 当社グループは最新の外部および内部環境の変化・動向を踏まえ、2023年8月14日にローリング方式による新たな中期経営計画を公表しております。その最終年度(2026年6月期)売上高300億円、営業利益20億円の業績目標達成に向け、引き続き、主として個人向けリユース分野における成長を促進することにより、拡大を続けるリユース市場での当社のプレゼンスを確立することを目標としております。この目標に向け、当第1四半期連結累計期間に行った取組の内容は以下のとおりであります。
 ①ネット型リユース事業
  (個人向けリユース分野)
   ・商材、物量に応じた最適な買取チャネルの見直しおよび要員配置の最適化
   ・出張買取におけるコンサルティング営業の強化
   ・生産性向上を目的とした各種DX施策の推進(オートコールシステムのバージョンアップ、買取業務の一部省人化、RAGチャットの導入等業務効率化に向けたシステム機能改修)
  (農機具分野)
   ・海外販売拡大に対応した与信管理の強化
   ・国内法人との取引規模拡大
   ・海外越境ECサイトのユーザビリティ向上
  (おいくら分野)
   ・リユースプラットフォームとして収益基盤の拡充に向けた継続的システムバージョンアップ
   ・官民一体でのSDGsの実現(不要品の二次流通促進による廃棄物の削減および環境負荷軽減)に向けた地方自治体との連携
   ・新規加盟店の獲得に重点を置いた営業活動の実施
 ②メディア事業
   ・検索エンジンアルゴリズムに対応した掲載記事のメンテナンス並びにモバイル通信および自動車買取に関する新規メディアの育成
 ③モバイル通信事業
   ・主にネット広告を通じた、ニーズにマッチしたシンプルでわかりやすい料金プランの遡及による新規回線契約獲得
   ・ユーザーの利用シーンと親和性が高いオプションプランの追加によるオプション付帯率の向上(回線あたり単価の向上)
   ・既存回線契約者に対するプラン変更(4G→5G・5G NSA→5G SAへのアップグレード)訴求によるユーザーの回線契約期間の長期化と解約抑止
   ・解約時における新たな収益機会の創出(解約理由に応じた新プラン案内等)

 これらの取組の結果、売上高は5,492,173千円(前年同期比33.7%増)、営業利益は69,326千円(前年同期は154,661千円の損失)、経常利益は25,297千円(前年同期は263,704千円の損失)となりました。また、法人税および法人税等調整額を43,539千円計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純損失は48,329千円(前年同期は325,789千円の損失)となりました。

報告セグメントの状況
・ネット型リユース事業
 当セグメントでは、販売店舗を有せずインターネットに特化したリユース品の買取及び販売に関するサービスを展開しており、当社グループの基幹事業であります。
 買取においては「高く売れるドットコム」を総合買取サイトの基軸とし、商品カテゴリー別に分類された複数の買取サイトを自社で運営しております。販売において「Yahoo!オークション」はじめ、「楽天市場」、「Amazon」、「メルカリ」、自社ECサイト「ReRe(リリ)」など複数サイトへ同時出品し、インターネットを通じて商品を販売しております。主に「大型」「高額」「大量」といった、CtoC(個人間取引)では梱包や発送が難しい商品を取扱い、CtoBtoCというプロセスで当社が取引に介入することで、品質担保をはじめ、リユース品の売買に対して顧客に安心感を提供しております。近年ではこれらで培ったナレッジ・ノウハウを元に農機具分野へ参入し、国内のみならず農機具輸出事業を展開するなど、既存事業とのシナジーを活かして商材の多様化に努めております。また、リユースプラットフォーム「おいくら」(全国のリユースショップが加盟し、売り手である一般消費者と買い手であるリユースショップをマッチングするインターネットプラットフォーム)の基盤拡充に向けた施策を行っております。
 当第1四半期連結累計期間の各分野における状況は、以下のとおりであります。

(個人向けリユース分野)
 前期に引き続き買取チャネルの最適化といった生産性向上策を進めるとともに、対応要員の再配置および要員あたりの生産性向上のためのDX施策をより一層推進し、利益体質の強化を強く推し進めました。
 こうした取組の結果、個人向けリユース分野における収益力は着実に向上し、当第1四半期累計期間における収益は期首時点における想定を上回って進捗しました。

(農機具分野)
 中古農機具については、依然として海外からの購買需要が底堅いことに変わりないものの、当第1四半期会計期間においては海上運賃の急騰により買い控えが生じその伸び率は一時的に鈍化しました。また、拡大する海外販売比率に鑑みリスク管理を適切に行う観点から与信管理基準を見直したことにより、受注から売上計上までに適切なリードタイムを確保するようになった結果、新規受注分の売上計上時期について一部当第2四半期会計期間への期ずれが発生しました。また、輸出における海上輸送の分野においていわゆるコンテナ船の抜港(船が入港予定だった港を飛ばすこと)が増加しつつあり、受注後出港待ち(売上計上待ち)の預かり在庫が一時的に増加しました。
 このような結果、当第1四半期累計期間における農機具分野の業績は、減収減益となりました。なお、進行期である当第2四半期会計期間にかけては、海上運賃は従来の水準に落ち着きを取り戻しつつあり、また上記リードタイムについても平準化が図られる見通しです。

(おいくら分野)
 「おいくら」については、リユースプラットフォームとしての中長期的な収益基盤拡充に向けた継続的なシステム改修や官民協働でのSDGsの実現(不要品の二次流通促進による廃棄物の削減及び環境負荷軽減)に向けた地方自治体との連携を推進し、その連携数は当第1四半期連結累計期間末日現在で、179自治体(前四半期比37自治体の増加)となり、人口カバー率(日本の総人口に占める連携自治体の人口合計)は35.3%となりました。こうした買取依頼件数増加のための取組みや自社オウンドメディアを活用した加盟店獲得策を取ったことから加盟店数は堅調に推移し、また、売上高は前期最終月(2024年6月)に行った大型提携による加盟店数の増加が寄与し順調に推移しました。

 これらの結果、売上高は2,805,354千円(前年同期比16.6%増)、セグメント利益は204,758千円(前年同期比1,882.4%増)となりました。

・メディア事業
 当セグメントでは、賢い消費を求める消費者に対し、その消費行動に資する有益な情報をインターネットメディアで提供するサービスを展開しており、以下の9つのメディアを運営しております。

 ・モバイル通信に関するメディア :「iPhone格安SIM通信」「SIMCHANGE」「カシワン」
 ・モノの売却や処分に関するメディア :「高く売れるドットコムMAGAZINE」「おいくらMAGAZINE」
 ・モノの購入に関するメディア :「ビギナーズ」
 ・モノの修理に関するメディア :「最安修理ドットコム」
 ・中古農機具の買取・販売プラットフォーム:「中古農機市場UMM」
 
 当第1四半期連結累計期間におきましては、前期に発生した、主にGoogle社が実施した検索エンジンのコアアルゴリズムの変更により、主要メディアの検索ランキングに影響が生じたことにより、全体としてのPV(ページビュー)数が大きく変動しており、その後、前期末にかけ当社メディアコンテンツの表示順位は一部で回復傾向となっているものの、前年同期比では減収減益となりました。
 これらの結果、売上高は138,358千円(前年同期比21.3%減)、セグメント利益は72,681千円(前年同期比11.0%減)となりました。

・モバイル通信事業
 当セグメントでは、連結子会社の株式会社MEモバイルが、通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスを展開しており、主力サービスとして、「カシモ(=”賢いモバイル”の略称)」というブランド名のもと、主にモバイルデータ通信のサービスを提供しております。
 当第1四半期連結累計期間におきましては、メディア事業との連携強化により自社通信メディアからの送客を図るとともに、他社が運営するメディアの積極的活用を図ったことから、直前四半期に引き続き新規回線の獲得数は好調に推移しました。一方で、解約理由の分析を進めることにより新たにWiMAXから光回線への切替案内を開始するなど、解約時における収益機会の創出を図りました。また、ユーザーの利用状況に合わせた付帯オプションのラインナップを充実させることにより、1回線当たりから得られる利用料金の向上に取り組みました。今後とも、当セグメントにおいては、契約回線数の積み上げによる安定的なストック型収入(ユーザーとの契約期間において月ごとに計上される収入)の確保と、新規回線獲得によるショット型収入(新規回線獲得時に一括して計上される収入)の確保により収益拡大を図ってまいります。
 これらの結果、売上高は2,578,585千円(前年同期比67.0%増)、セグメント利益125,145千円(前年同期比95.5%増)となりました。

詳しくは決算短信をご覧ください。